真面目な人ほどハマってしまいがちな完璧主義の考え。
仕事を真面目に行う事はとても良い事だと思います。
そして良い成果を上げようと完璧を目指すことも大切だと思います。
ただ、完璧を求めるばかりに本当に必要な事が置き去りになってしまう状況は良くありません。
例えば、ある商品の欠陥を事前にチェックする仕事をしていた人がいます。
その人が仕事をすれば99%の商品の欠陥を見つける事ができます。
でも残り1%の欠陥を見つけるのが容易ではありません。
この欠陥を見つけるためには、あと100人追加する必要があります。
このような場合、100人を追加してチェックする必要があるのでしょうか。
もちろんこの1%の欠陥が人の命に関わる事であったり、重大な障害を引き起こす事であれば100人追加してでもチェックする必要があると思います。
でも1%の欠陥で発生する問題が本当に軽微なものだったら、追加で100人もかけてチェックするべきでしょうか。
それによって人件費(コスト)が膨大し、プロジェクトが赤字になるとしたら?
そして納期にも間に合わなくなるとしたら?
完璧主義の考えに立つならば、こういった全ての欠陥を解決する必要がありますが、この完璧主義の考えには、1点重要な落とし穴があります。
それはQCD(品質、コスト、納期)の概念が足りていないという点です。
ビジネスである以上、コストをかけてそれ以上の成果(利益)を出す事が求められます。
ただ、完璧主義に陥ってしまうと、この成果(利益)を出す概念が抜け落ちてしまい、商品の品質のみに意識がいってしまうのです。
ビジネスで必要な考え方は、品質、コスト、納期。これらをいかにバランスよく保った上で、最大の利益をあげることになります。
つまり最終的には、QCD(品質、コスト、納期)を考慮して、利益を上げる事が重要になるのです。
品質において、100%の結果を出しても、コストがかかりすぎて赤字になり、納期に間に合わなければビジネスにはなりません。
つまり、ビジネスでは、完璧主義という考えではなく、限られたコストや時間の中で、できる限りの完璧(に近い)な成果をあげる事が重要になるのだと思います。
一つの事に偏りすぎて、他のバランスが悪くなるということはビジネスに限った事ではありませんが、完璧主義の考えというのは、一つの事に思考が偏りすぎた結果と言えるかと思います。
ビジネスパーソンとして品質をあげる努力をする事はもちろん大切ですが、その前提には、コストや納期といった制限があり、その範囲内でいかに成果をあげられるかを考える必要がありますね。