仕事では、「かんたんにできること」と「かんたんにできないこと」があります。「かんたんにできること」は、特に心配などすることなく、仕事が完了できるので安心ですが、「かんたんにできないこと」は、試行錯誤しながら進めていくため、不安なども多いかと思います。
そのため、ほとんどの人は、「かんたんにできること」ばかりをやるようになり、そのうちに、かんたんな仕事だけを意図的に行うようになります。
ところが、かんたんな仕事には、ひとつ問題があります。
それは、「かんたんにできること」というのは、言い方を変えれば、「誰でもできること」である場合が多く、このような仕事では差別化ができないため、価値がどんどん無くなっていくのです。そうなると、差別化できるのは、価格だけになるので、価格を下げることでしか、差別化できなくなってしまいます。これはつまり、その仕事の価値が低下していくと言えるのだと思います。
反対に、「かんたんにできないこと」というのは、完遂するためには、いろいろな壁があり、試行錯誤しながらやらなければならないので、最初はとても苦労するものです。ただ、一度、この仕事をマスターしてしまえば、ほかの人とっても、「かんたんには真似できない仕事」になるため、この仕事ができること自体が差別化ポイントになります。つまり、
かんたんにできること = 価値が低い
かんたんにできないこと = 価値が高い
という傾向があるということを理解しておく必要があると思います。
「かんたんにできないこと」は、諦めたり、後回しにしがちですが、このような仕事こそ積極的に行い、「価値が高いもの」を身につけることで、自分自身を差別化できるようになるのだと思います。