■サンクコスト(埋没費用)
「取り返すことができないコスト」です。
すでに支払ってしまった費用、費やした労力、時間などは全てサンクコストとなります。
ビジネスにおいては、このサンクコストを理解した上で、行動を取る必要があります。
例えば、研究開発費や時間を使ってある商品を開発していたとします。
ところがある程度、予算と時間を費やした時点で『この商品は売れないだろう。』という見込みがたってしまったとします。
そうなるとこれまで費やした費用や時間が無駄になりますが、これらは取り返す事ができないサンクコストとなります。
このような状況で、ビジネスマンとしては、どのような判断を取るべきでしょうか?
・これまで予算と時間を費やしたのだから、商品完成まで研究開発を続けるべきだ!
・世の中に売れないと判断したのだから、すぐに研究開発をやめるべきだ!
前者の考えを持ってしまう事を非常に危険です。
なぜなら、そこには
『取り返せない費用なのにもかかわらず、もったいないという意識が存在している』
からです。上記の例で言えば、これまで費やした費用や時間は取り戻せないコストになります。
そのコストを気にしすぎて、より悪い方向へ舵を切るのはビジネスとしては良い判断とは言えませんね。
上記のようなサンクコストが発生してしまった時に、一番意識すべき点は、『今どうすべきか?』を考える事です。
これまでのコストは全て考えず、
『今スタートしたのだとしたら、どのような判断をするのか?』
という事を考える事で、誤った判断をしなくて済むようになります。
取り返す事ができないコストを『もったいない』と考えてしまい、『今、正確な判断ができない事』が最も大きな問題となってしまうのです。
このような考え方はビジネスだけではありません。
映画のチケットを購入し、映画館に入ったが、その時に間違った映画のチケットを購入した事に気付きました。
映画チケットの費用は戻ってこないわけですから、本来であれば映画館を出て、別のことをするか、もう一度、観たい映画のチケットを購入するのが正しい選択ですが、多くの人は『もったいない』という考えて、間違って購入した映画を観続けるのではないのでしょうか。
もちろん楽しめると思えるのであれば良いと思いますが、そうでないのであれば、『今を考えた行動』を取るべきですね。
戻ってこないコストに縛られて、正しい判断ができなくなる事が一番恐ろしい事ですね。
サンクコストはビジネスにおいてもプライベートにおいても意識しておきたい点だと思います。