仕事に対して真面目な印象のある日本人ですが、実は仕事の生産性が先進国で最下位ということはご存知でしょうか。
日本の生産性が低いという問題は、ここ最近ずっと言われていますが、その原因のひとつとして、『仕事を増やすのは得意だが、減らすのが苦手』ということがあると思います。
例えば、ある商品に対して品質を追求するばかりに
「ダブルチェックやトリプルチェックは当たり前」
「問題が発生する度にチェックリストを作り、チェック項目が次々と増加」
「報告書や稟議書は一文字の誤字さえも漏れなく無くす為のチェック」
などといった事も行われているのではないでしょうか。
このような仕事が長く行われているせいか、一部の企業ではビジネスマンの仕事がこうしたチェックで終わってしまうというような話もよく聞きます。
「報告書」や「稟議書」などを入念にチェックして、それを上司に渡して上司が入念にチェックして、それをさらに上司が・・・・・
このような事が日常的に行われてしまっている事で、日本人の生産性が落ちる原因になっているのだと思います。
もちろん品質をよくする事が大切なのですが、必要以上に仕事を追加する事で生産性が大きく損なわれている事に、多くの人が気付き始めています。
ところが、これまでの慣習があるために、「無駄だと思っていてもやめられない。」状況に陥っているのだと思います。
ただ、このような状況を続けていては、企業としては無駄なコストをかける事になります。
それに、このようなコスト増加が外国企業と競争する上でマイナスになってしまっているのだと思います。
これからのビジネスパーソンに求められるのは、当たり前のように行われている仕事に対して、
「本当にこの仕事が必要なのか?」
ということをもう一度よく考えてみることだと思います。
もちろん「やった方が良いか悪いか」で考えれば「やった方が良い」という仕事の方が多いと思います。
ただし、ビジネスだということを踏まえ、品質だけではなく、ビジネスとして考えた上で必要なのかどうなのかを考える事が必要だと思います。
「やらない」判断というのは、リスクを伴うので誰も先頭に立って言いにくい点です。
ただ、生産性を上げるためには、「必要な仕事とそうでない仕事」をしっかりと見極めて、「やらない判断」をする事が、今後のビジネスパーソンには求められるのだと思います。
生産性が低いと言われている日本人に必要な「やらない」判断ができるビジネスパーソンになれるようにしていきたいですね。